AKS第三者委員会報告書が「使える」理由

  • 2020.11.25 Wednesday
  • 17:22

JUGEMテーマ:NGT48

青鶴白スポットライト

結論から言えば、NGT48暴行事件に絡んで調査を行った「株式会社AKS第三者委員会」による報告書は、「欠点はある」ものの、それなりに使えます。

NGT事件史でも「第三者委員会」の項目を用意している所ですが、原稿があまりに膨大な量になっていて、ヘタすると完成が来月初頭になりそうなので、一旦概略をブログで書きます。
欠点を述べた後、「絶対視はできないが、それでも使える理由」を述べます。
(急きょ作ったブログなので、文章を少しずつ修正する事も有り得ます)


<欠点>(他にも色々ありますが代表的なものを)
◆第三者委員会自身は記者会見を行わず、窓口も最初からAKSにして、取材にも応じなかった(これがまず異様)※1
※1但しこれは「AKSに相当忖度・斟酌していた」事を示すものであり、報告書が「これ以上はAKSに寄る事は出来なかった」ものである事も示している。つまり「最低限、AKSに対して必要な批判が盛り込まれている」のが、委員会報告書である。
◆向かいの部屋の契約状況を掘っていない。
◆今村悦朗に対する調査が不十分※2。
※2但しやっていない訳では無いと思われる。面談調査はAKS社関係者に幅広く行われており、そこに今村悦朗が入って居ないとは考えにくい。
◆何より吉成夏子・経営陣の責任追及が不十分。代表取締役の権限が支配人に委譲されておらず、支配人の権限が不明瞭だった事が事態の悪化に繋がった事も述べているのに、代表取締役・取締役会の責任追及が甘過ぎる。
◆つながりの定義が曖昧※3
※3ただし「挨拶程度」とは委員会は考えていないし、「あいさつ」「挨拶」といった単語は報告書に無い。
>ファンとの私的領域での接触、いわゆる「つながり」は、前記2(5)ア「専属契約とメンバーの意識」に記載したとおり、所属タレントとしての「自覚」と「責任」の名において禁止されているのは自明であって、握手会はメンバーの芸能活動の場面とはいえ、私的領域での接触を求めるような会話は当然に許されるべきものではない。
ともしており、委員会は「つながり」を「禁止されているのは自明」「許されるべきものではない」と位置付けている。


<使える理由>
上記のように様々な欠点があり、真相究明には遠い第三者委員会報告書ですが、以下のように「使える」理由も沢山あります。

 

1作ったのが弁護士3人+10名である

もちろん上記の通り、欠点はありますが、弁護士が「調査不足」「不利な事は書かない」をやる事はあるにしても、「ウソ」「虚偽」を書くとは考えにくいです。
「言わない」のと「ウソを言う」は、レベルが違う。

しかも関わった弁護士が13人です(委員として名前が挙がった3人プラス、10人の補助弁護士)。
 

13名の、事務所の違う弁護士同士が、「ウソを言う事で結託する」とは、考え難いです。
そんなリスクある「統一虚偽」を、交流が日常的でも無い13名の弁護士が、「一人も脱落者を出さずに」やるかどうか。
有り得ないと思います。※4

※4既述の通り、「不利な事は言わない・書かない」位までならやると思いますが、「明白に嘘」を書く事で結託する、まではやらない、やれないだろう、と言う事です。


2誰も報告書を全否定しなかった
松村匠は「報告書を基にして」全員不問と言う結論を出し、報告書自体を全否定はしませんでした。つながりの定義について勝手に解釈して山口真帆さんから突っ込まれていましたが、松村も報告書を全否定した訳では無い。むしろ松村は報告書に基いて結論を出して居ます。

 

山口真帆さんは、「『私が聞いたことがちゃんと書いていない』と述べたと、【早川麻依子が】述べている」(出典)。記者会見での早川麻依子は卒業や脱退の話は誰からも来ていないと述べてもおり(実際はもふさんが年明けには運営に卒業を打診していた)、どこまで早川発言を信用できるかは不明ではあります。

 

一方で、早川が「私が聞いた事がちゃんと書かれて居ない」と述べた時には山口さんは反論ツイートをなさっていません。一字一句早川の伝聞通りかどうかはともかく、「報告書に不足がある」と山口真帆さんが認識されていた事は、十中八九言えるでしょう。

 

但し、山口真帆さんは御自身のツイートで、「報告書に書いても居ない事(挨拶もつながり)を述べるのは勝手な解釈」と松村匠を批判。「報告書をベースに運営を批判」なさってもおり、全否定はしていない事が窺えます(もし仮に報告書を全否定なさるつもりがあれば、あの記者会見時にそうツイートしたでしょう)。

 

つまり、松村匠、早川麻依子、岡田剛、山口真帆さんの4人が、「全否定」はしなかったのが、第三者委員会報告書です。
もっと言えば、あの記者会見時点と直後で、他メンバーも報告書を全否定していません(これあまり言われませんけれど)。

 

暴行犯についてですが、言い分を述べる機会をAKSから、そして第三者委員会から与えられているにも関わらず(ここでなぜ先にAKSが要請を出しているのか、そこもかなりクエスチョンなのですが)、応じず、自らの言い分を述べる機会を逸しているのは、暴行犯達の自己責任です。
「呼ばれていないから、法廷で発言する機会が与えられなかった、茶番民事裁判における山口真帆さん」とは、全く性質が異なります。
有り難くも言い分を述べる機会を貰えたのに、「出禁を解いてくれるなら考えるよ(丙)」との趣旨のふざけた返答をしている時点で、暴行犯には誠実さの欠片も無い事が示されて居ます。


3最大規模の調査
第三者委員会は、メンバー41名のうち(体調不良欠席者1名、兼任(柏木さん)1名、山口真帆さんを除いた)38名を、4か所にわけて書面調査を実施。AKS関係者は同席せず。その書面には記名か無記名かを自由に選ぶ事ができました。そして24名が記名し、14名が無記名でした。

その書面はAKS関係者にも開示せず、非公開である事をメンバーに説明した上で行われて居ます。

 

また、面談調査は

>本件事件当時のメンバー42名※5、AKS役職員24名、メンバー及びAKS役職員以外14名の合計80名

>委員ないし補助者の2名が一組(メンバーの聴取に際しては、2名のうち1名は女性とした。)にて、委嘱事項及びこれに関連する事項について、任意の供述を求める形で実施した。
>また、事情聴取を実施した際に、各対象者の供述内容を裏付ける資料等がある場合は、その提出を求め、これによって提出された資料については、資料の形式を問わず、調査の対象とした。

※5メンバー42名には、おそらく活動辞退した一人も含んでいます

という形で行われて居ます。

 

全然何も調べて居なかったっぽい(というか十中八九何も大規模には調査をしていない)AKS・NGT48運営において、ここまで「大規模に聞き取り調査が行われた」のは、多分類例がありません。
 

マスコミ記者達も、80名から話を聞いた人は居ないでしょう。

またおそらく、AKS・NGT運営も、80名からキッチリ話を聞いたスタッフは居ないと思われます。
あの杜撰な管理状況では。

 

つまり第三者委員会は、「唯一、大規模な調査が行われた機会」だったと思われます。


4他メンバー告発の可能性
これは3と重なる所がありますが

今でこそ、3分の2メンバーは(中井さんや小熊さん、そして卒業公演での安心安全7といった例外を除けば)「チームG千秋楽前後に言葉を絞り出すのが精一杯だった」、安心安全7+言葉絞り出した発信者を除いたら、後は沈黙してたのが4名前後、という事になっていて、「NGT48メンバーは概ね運営に従順だった」と思われていますが(色々精査するとそう単純ではありませんが → メンバーの良い言動精査結果

 

「第二、第三の告発者」が出る可能性だって、2019年2月・3月には十分ありました。
 

例えば「私がせっかく正直に告白したのに、弁護士先生が全部無視してしまいました」なんて告発が、ツイッターとかで他メンバーからなされる、というリスクだって考えられたわけです。

弁護士13名全員が人望民的なアイドルオタクで、「告発するヤツなんてとんでもない!アイドルは告発しないのが普通!」と発想する人達…なんて事は有り得ないわけで、当然「第二第三の告発者が出た時に、自分達が吹っ飛びたくはない」わけです。

 

これ結構重要な点ですよ。

第三者委員会は全員弁護士です。3名+補助者10名、全員「自分達がぶっ飛ばされる状況」は作りたく無い訳です。

 

よく「第三者委員会は、AKS・運営に対して忖度・斟酌した」と指摘される事が多く、それは私も否定しません。

しかし一般企業の社員と違って、NGT48メンバーは一人一人が1万〜10数万のツイッターフォロワーを持ち、告発しようと思えばある程度の影響力を行使して告発出来るわけです。
あの時は、一言書いたら、マスコミも一斉に報道していました。
実際、小熊さんの「優しくて大好きな自慢の副キャプテン」発言単体だけで、j-castニュースになりました(2019年1月下旬の出来事で、これは第三者委員会発足前の事です)。

 

私にすら考え付くリスクを、弁護士達13名全員が気付かない筈がない。
実際山口真帆さんという前例が出て居る訳で、「『第二第三の山口真帆さん』メンバーが出て、自分達をネットで批判するリスク」は、弁護士なら考えたでしょう。
株式会社AKS第三者委員会は、一般企業における社員の調査よりも、その点は気を使った筈なのです。

 

委員会報告書で
◆本件事件後に、数名のメンバーがファンとの「つながり」があったとして自ら申告していること(三鶴注:但しこれは委員会の調査時もそうだったかは不明)
◆(書面調査で、メンバーは)真摯に回答を記載していた。
◆36名のメンバーから、他のメンバーとファンとの「つながり」に関する供述があった。その際、12名のメンバーの名前が具体的に挙がった(三鶴注:この「12名」がのちに独り歩きした点は否めない。また12名全員が実際につながっていたかどうかまでは、委員会は掘って居ない)

 

…といった記述がある事からも、メンバー達は自分達NGT48の問題を(世間で思われているよりは誠実かつ深刻に)捉えていたわけで、委員会もそれは承知したはずです。

 

だから、
「第三者委員会は、AKSに斟酌・忖度しつつも、山口さん以外のメンバーからネットで『せっかく正直に色々答えたのに、弁護士先生が無視しちゃいました…』などとネット告発されてぶっとばされる危険は回避しようと努めなければならない状況にあった」。
これは結構重要です。


5法的リスク
これは性格と次元の違う、技術的な「使える理由」になりますが…

我々が事件を追い、発信するにあたり、当然名誉毀損等の法的リスクは考えなくてはなりません。
第三者委員会報告書は、弁護士3名が「ここまでなら書いても名誉毀損には当たらないだろう」と考えたラインが明示されています。
そしてAKSも、第三者委員会報告書を見て「訴えてやる!」とはなりませんでした。

つまり「ここまでなら、言っても(言い方にも慎重に丁寧に気を付けなければなりませんが、内容としては)まず大丈夫」なのです。

 

<まとめ>
もちろん最初に述べた通り、第三者委員会が掘って居ない所は多々あり、久保利英明弁護士も同委員会の独立性を批判なさるなど、問題も多々あるのは事実です。

しかし
【1】作ったのが3名(プラス補助者10名)の弁護士であり、「不足」はあるにせよ、「明白なウソを書く事で13人が一致した」とは考えにくい。
【2】運営も山口真帆さんも、(全肯定はしないにせよ)報告書を全否定はしなかった。
【3】メンバー、運営側、合せて80名から聞き取
り調査がされた類例は他に無い。
【4】一般企業と異なり、強力な発信手段を持つメンバー達を相手にした調査で、弁護士達は「メンバー達から『そんな事言ってません』のみならず『正直に答えたのに何で書いてくれなかったんですか』とネットで告発されるリスク」を考えて報告書を書かなければならなかった。つまり(多様な立場の)全メンバーにもある程度配慮した内容になっている。
【5】法的な「安全牌」である。

 

もちろん、「不足はある」のですから、「委員会報告書が絶対」ではありません。

しかし以上5点の理由から、私は第三者委員会報告書を「不足はあるけれど、使える」として、多くの場面で用いています。
 

なお、人望民は弁護士3名(プラス10名)が作成し、メンバー達も誠実に回答していたとされる第三者委員会報告書よりも、アイドルを自宅玄関で2人係で襲撃する暴行犯の言い分を重視するようですが、アイドルファンと呼ぶのも憚られる、犯罪予備軍としか考えられない思考様式ですね。
 

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